こんにちは、おうちクリーニング研究家のハナです。
冬に大活躍のふわふわニットや靴下。気がつくと毛玉だらけになっていたってことありますよね。人前で靴を脱げなかった過去を持つ人も多いはず(私はあります)。
毛玉は予備軍があるだけでも衣類はくすんで輝きを失います。あっていいことは一つもないんです。
そんな毛玉を手早く一掃するのに役立つのが毛玉取り器。
とはいえ、世の中にはたくさんの毛玉取り器があって、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。
無難に有名メーカーの毛玉取り器を選んだつもりが実際に使ったら大切な衣類に穴があいてしまったという失敗をしないように、本日は5種類の毛玉取り器を実際に使って使い勝手を検証します。
毛玉取り器を選ぶ際の参考にしてもらえると嬉しいです。
よろしければ、最後までお付き合いください。
スポンサーリンク毛玉とは何か?
毛玉とは、生地の繊維が摩擦により絡みつき球状の塊になったものを言います。
洗濯によるダメージ、着用時のこすれによるダメージ、バッグ等とこすれ合う事によっておこるダメージなどが原因で発生します。
最も毛玉ができやすい素材は、アクリルやポリエステルなどの合成繊維。
ウールやカシミヤも毛玉はできますが、繊維が合成繊維ほど強くないために毛玉が生成されても自然に剥離します。(図4段階)
化学繊維は繊維が非常に強く、毛玉がデキても剥離しません。なので実際に毛玉が気になるのは化学繊維の衣類なんです。
このような毛玉は簡単には取り除けないので毛玉取り器で除去しなくてはなりません。
▼毛玉取り器以外の方法を使った実験の記事はこちら▼
毛玉取り器の種類
毛玉取り器は、手動タイプのブラシ式と、電動タイプの充電式、交流式、電池式などの種類があり、それぞれメリットとデメリットあります。
交流式
コンセントに電源ケーブルを差した状態で使用するタイプ。充電なども前準備が必要なく長時間パワーが落ちない。ソファーやファブリックなど大物の毛玉取りに向いています。
【メリット】
・充電などの前準備が不要
・電源があるところなら思い立ったらすぐに使える
・パワー落ちを気にせずに長時間使用できる
【デメリット】
・電源のない場所では使えない
・コードが邪魔
充電式
充電して使うタイプ。事前に充電してけば電源のない場所でも使えます。
【メリット】
・事前に充電しておけば電源不要
・コードがないので場所を選ばない
【デメリット】
・事前の充電が必要
・途中で充電が切れることがある
2WAY式(充電&交流)
充電でも交流でも使える2WAYタイプ。事前に充電しておけばコードレスで使え、充電がなくなったら電源コードをつけて使えるので、時間を気にせず使えます。
【メリット】
・電源なしでも使える
・事前の充電なしでも使える
・種類が多いのでたくさんのデザインから好みのものを選べる
【デメリット】
・本体が大きくなりがち
・価格は高め
電池式
電池を入れて使用するので、充電などの前準備もコンセントも不要。コンパクトなものが多いので旅行などへも持って行くのに便利です。
【メリット】
・コンセント不要
・コンパクトで安価なものが多い
。コードが邪魔にならない
【デメリット】
・電池を消耗する
ブラシ
硬めの獣毛を使ったブラシで衣類を撫でることで毛玉を取りつつ、衣類の毛並みを整えます。衣類に優しくウールやカシミアといった風合いを大切にしたい高級素材に向いています。
【メリット】
・電源がなくても使用可能
・素早く毛玉が取れる
・繊維を削りすぎないため衣類に優しい
【デメリット】
・化学繊維の場合は次の毛玉ができやすい
・静電気が起きやすい
スポンサーリンク毛玉取り検証方法
購入した5種類の毛玉取り器を使って使い勝手を検証します。
ちなみに購入は全て自腹なのでメーカーへの忖度はなしです。
アクリル製のマフラー 15×15cmを「毛玉取り器」を使って毛玉を取ります。
毛玉が取れるチャリチャリという切断音がしなくなり、毛玉が目視で目立たなくなるまでの時間。
毛玉を取ったあとの繊維の美しさ。
あと、引き込んで穴が飽きやすいふわふわとした厚手の衣類に使った場合の風合い、メンテナンスのしやすさなどを検証します。
・毛玉を取るスピード
・衣類へのダメージ
・使いやすさ
・コスパ
・メンテナンスのしやすさ
では、5種類の毛玉取り器を実際に試した結果です。
Enteenly 毛玉取り
北欧風の可愛らしい外観ながら大型の6枚刃を採用しており見た目からは想像できないようなハイパワー。
上から抑える形になるので、長時間使用しても疲れません
● 概要
購入価格 | 2,880円 |
---|---|
タイプ | 2Way(充電・交流) |
モード | なし |
使用可能時間 | 約90分(満充電時) |
付属品 | 充電ケーブル、替え刃、掃除用ブラシ、取扱説明書 |
● スピード ★★★★☆
毛玉が気にならなくなるまでの時間は28秒。ものすごく早いなという印象。モーター音は少々うるさめ。
● 表面の美しさ ★★★★☆
全体にムラなくキレイに仕上がっています。
● 衣類への安全性 ★☆☆☆☆
毛玉取り器のスピードは早いもののふわふわとした厚手の素材はあっという間に布を引きこんで穴が空いてしました。
パワーがあるだけに強く押し付けるのはNGです。
● 使いやすさ ★★★☆☆
本体は軽くて上から抑えるタイプなので、長時間使ってもまったく疲れません。ただ、強く押し付けがちになるので注意が必要。
● メンテナンスのしやすさ ★★★★☆
ダストボックスはスクリュー式になっていてカバーを回して外す必要がありますが、ダストボックスも刃も一緒に手入れできるのが便利。
● 総合点 17点(25点中)
形はかわいくてテンションが上がりますが、パワーがありすぎる&力が入りすぎてしまう形状なので、素材によっては穴があいてしまうので注意が必要。
TORRAS 毛玉取り
2000mAhのリチウムバッテリーを内蔵し、満充電の状態で最大180分の連続使用が可能。スタイリッシュな外観で毛玉取り器に見えないおしゃれさが特徴です。
購入価格 | 8,860円 |
---|---|
タイプ | 2Way(充電・交流) |
モード | プロ(高)·通常(中)·Care(低)の3段階 |
使用可能時間 | 約180分(満充電時) |
付属品 | 充電ケーブル、替え刃、ブラシ、ポーチ、取扱説明書 |
● スピード ★★★★☆
毛玉が気にならなくなるまでの時間は約34.7秒。
● 表面の美しさ ★★★★★
ムラなくキレイな仕上がり。ふんわりさを残しつつ柄がはっきりして新品のような仕上がりです。
● 衣類への安全性 ★★★★★
厚くて弾力のある素材に強く押し付けても、引き込みもなく表面の毛玉だけがキレイに取れます。
● 使いやすさ ★★★★☆
持ち手は小さな女性の手でもしっかり掴めます。しかも横から支える感じななので無駄に力が入らず適切な圧で布に当てられます。
衣類の素材に合わせて3段階にスピードが変えられるんですが、どのスピードを選べばいいのか、慣れるまでは迷います。
● メンテナンスのしやすさ ★★★★☆
ダストボックスはマグネット式で、カバーを回すことなく取れて便利。取り付けもワンタッチでカチっとはまり気持ちいいです。
刃の部分はダストボックスの反対側でカバーを外すのはスクリュー式ですが、刃に毛玉が溜まっていなかったので、ダストボックスに効率よく毛玉が送られているようです。
刃の部分は掃除の回数が少なくすみそう。
ブラシが持ち手の下に収納されていて失くす心配はなし。ただ、収納するときに気をつけないとブラシの毛先が折れる場合あり。
● 総合点 22点(25点中)
本体価格が少々高めなのと、3段階表示がわかりにくいのだけがネックですが、それ以外の仕上がりはとても良い毛玉取り器です。スタイリッシュで毛玉取り器というよりは美容器具のようです。部屋に出しっぱなしでも生活感がでにくいのがいいです。
マクセルイズミ (IZUMI) 毛玉取り器
私が長年使用しているお気に入りのシリーズです。マクセルイズミはもともと工具を作っている会社なので、毛玉取り用の刃の切れ味が素晴らしく衣類を巻き込んで穴が開いてしまうこともありません。多彩な毛玉取りモードで毛足の長い衣類から薄手素材の小さな毛玉まで簡単に取ることができます。
購入価格 | 3,532円 |
---|---|
タイプ | 2Way(充電・交流) |
モード | ・デリケート衣類用のcare、通常モードのpower ・毛足の長さによって高・中・低の3段階切替 |
使用可能時間 | 約38分(満充電時) |
付属品 | ふわふわガード、充電アダプター、掃除用ブラシ、ポーチ、取扱説明書 |
● スピード ★★★★☆
毛玉が気にならなくなるまでの時間は39.4秒
● 表面の美しさ ★★★★★
ムラなく美しい仕上がり
● 衣類への安全性 ★★★★★
厚手の素材に強く押し付けても引き込みなしで穴はあきませんでした。
ふんわりとした風合いを残した良い仕上がりです。
仕上がりの良さは毛足によって高さ調整できることにあります。力が一定にかかるので毛先の長さも一定になりムラのない仕上がりが美しい。
夏物の薄い素材の小さな毛玉も除去できるCAREモードがあり、布によって使い分けると衣類の風合いもキープできます。
長年使っているシリーズですが、どの機種も一度も衣類に穴をあけたことがない安心の逸品
● 使いやすさ ★★★☆☆
とても持ちやすい形状ですが、多彩なモードを搭載しているために本体が重く感じて長時間使用すると少々疲れます。
毛足の長さによって調整できるの、力で調整しなくてもいいのは楽です。
● メンテナンスのしやすさ ★★★☆☆
毛玉をキャッチするダストボックスはスライドするだけなので溜まった毛玉を捨てるだけなら簡単ですが、今回試した中ではもっとも部品が多く、全体のメンテナンスには面倒臭さを感じます。
● 総合点 20点(25点中)
薄手の衣類にも使えるCAREモードを搭載しているので冬だけなく1年中使えます。刃の切れ味がよく美しい仕上がり。高機能にかかわらずコスパもよくバランスのよい毛玉取り器です。
ダイソー 毛玉取り器
電動毛玉取り器が驚異の110円です。無駄のないシンプルな形状、手のひらサイズで旅行先や鞄に入れて持ち運びしやすい毛玉取り器。
購入価格 | 110円 |
---|---|
タイプ | 電池 |
モード | ー |
使用可能時間 | ー |
付属品 | 掃除用ブラシ |
● スピード ★★☆☆☆
毛玉が気にならなくなるまでの時間は1分32.2秒
毛玉取り器のカット面の直径は2.7cmと小さいため、スピードは出ません。
この分コンパクトなので持ち運び用には便利。
靴下などの小さな衣類だとスピードは気になりません。
● 表面の美しさ ★★★☆☆
小さいヘッドで広範囲の毛玉を除去するのには向いていません。途中で飽きてしまってムラムラになってしまいました。
ただ・・
狭い範囲だと集中力が続きキレイに仕上がるので、ダイソーの毛玉取り器は小物用としては優秀です。
● 衣類への安全性 ★☆☆☆☆
厚手の衣類は残念ながら穴があいてしまいました。
刃の切れ味は悪くないんですが、歯をガードする網がとても柔らかくて簡単に凹んでしまいます。
少し強く押し付けると刃が布に当たって穴があいてしまったり、ムラができる原因もなっています。
ダイソーの毛玉取り器を使う時は平な場所で強く押し付けないように気をつけながら一定の力を加えて使用する必要があります。
● 使いやすさ ★★★☆☆
手のひらに収まるくらいコンパクトで持ちやすい形状。
なによりも全国にあるダイソーで110円で購入できて手に入れやすく、毛玉をとるのは靴下くらいという毛玉取り器のライトユーザーには使いやすい毛玉取り器だと思います。
小物専用としてはとても使いやすいです。
● メンテナンスのしやすさ ★★★★★
ダストボックスは引き抜くだけと取り外しが簡単で、シンプルな作りなので部品も少なくメンテナンスは簡単
● 総合点 14点(25点中)
総合点はよくはありませんが、持ち運び用の簡易な毛玉取り器としては優秀です。
会社に置いておいて、靴下の毛玉が気になったときだけ使うのもいいかもしれません。
浅草アートブラシ社 かんたん毛玉取りブラシ
本体がフラットではなく絶妙な反りがあり、力を入れなくても効率よく毛玉を取ることができるようになっています。こちらのブラシはウールやカシミヤなどの高級素材の風合いを損なうことなくツヤよく仕上げます。
購入価格 | 3,110円 |
---|---|
タイプ | ブラシ(手動) |
モード | ー |
使用可能時間 | ー |
付属品 | 掃除用ブラシ、取扱説明書 |
● スピード ★★★★★
電動式ではなく手動なので時間がかかると思っておられる方も多いと思いますが、じつは電動よりもずっと早く毛玉を処理できます。
● 表面の美しさ ★★★★★
電動の毛玉取り器と違って表面がふんわりしているのがお分かりいただけるかと思います。
電動の毛玉取り器は表面をカットすることで毛玉を取りますが、ブラシは毛玉を取るというよりも、ほぐすといったほうがいいかもしれません。目立つ毛玉だけを取り去って、毛玉予備軍は取るというよりはほぐす感じです。
電動毛玉取り器を使うたびに繊維は痩せていくのは残念ながらさけらません。
だけどブラシは毛玉だけを取り除き、毛足が長いものもふんわりと優しく仕上げます。
ウールなどは毛並みも揃うので、ツヤ良くふんわりと仕上がります。
● 衣類への安全性 ★★★★☆
衣類へのダメージがもっとも少ないのはブラシ式の毛玉取り器です。繊維を削り取る電動毛玉取り器と違って、繊維を痩せさせることなくふんわりと仕上げます。穴があくこともありません。
ウールやカシミアなどの天然繊維に使うには、最強の毛玉取り器です。
ただ、繊維の強い化学繊維の場合は静電気が起こりやすくなるのと、伸びた毛足がすぐに絡まって毛玉ができやすくなるので毛玉を除去するスピードは早いものの次の毛玉も早くできてしまうデメリットがあります。
厚手のクッション性のある素材にはブラシの硬い毛が引っかかって上手く毛玉をとることができませんでした。力を入れすぎると引っ掻き傷ができてしまうおそれがあり注意が必要です。
● 使いやすさ ★★★★★
充電や電池を用意するなどの前準備はいっさい必要なく手に取ったらすぐに使えます。
絶妙な反りがあり、効率よく衣類の表面の毛玉を効率よく取ることができて疲れません。
● メンテナンスのしやすさ ★★★☆☆
付属の専用ブラシでブラシに残った毛玉を取り除くだけなので説明書を読むまでもなく簡単にメンテナンスできるものの、硬い毛の中に挟まった毛玉を取り出すのは少々大変だったりもしました。
● 総合点 21点(25点中)
ウールやカシミアといった天然素材に関しては最強の毛玉取り器です。高価なコートなど繊維を削ることなく風合いをまりながらふんわりとした美しい仕上がりになるのでおすすめです。
スポンサーリンク毛玉を取るという事
できた毛玉は「毛玉取り器」で取ればいいと簡単に思ってしまいますが、
毛玉取り器は、種類は違ってもその全てが繊維を断ち切り毛玉を除去することになります。
毛玉取り器でとれた毛玉
やり過ぎると衣類が痩せて薄くなります。なので、できるるだけ毛玉を作らいように気を付けることも大切です。
毛玉ができやすい衣類を着用する時は金具のついたバッグなどの小物を避けたり、洗濯するときは洗濯ネットを使ったり、毛玉ができない工夫をしてみてください。
今回試した中ではブラシがもっとも繊維の切り取りが少なくて繊維の切り取りは少なくてすみました。
スポンサーリンク5種類の毛玉取り器を試した結果 まとめ
毛玉取り器で有名なT社の毛玉取り器がないなって思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。
T社の毛玉取り器に関しては過去に3台ほど試したことがあるんですが、もれなく穴をあけてしまったので、個人的には「もう買わない」と思っていたりします。パワフルだけど万人に使いやすい毛玉取り器ではないなという印象。
そんなわけで、今回は試しませんでした。
※おそらく私の使い方が悪いとは思うんですが・・・
では今回比べてみた5種類の毛玉取り器の結果を図にまとめました。
価格 | スピード | 仕上がり | ダメージ | 使いやすさ | メンテナンス | |
Enteely | 2880円 | 4P | 4P | 1P | 3P | 4P |
TORRAS | 8860円 | 4P | 5P | 5P | 4P | 4P |
マクセルイズミ | 3532円 | 4P | 5P | 5P | 3P | 3P |
ダイソー | 110円 | 2P | 3P | 1P | 3P | 5P |
浅草アートブラシ | 3110円 | 5P | 5P | 3P | 5P | 3P |
実際に試した結果、もっとも仕上がりが良かったのはTORRASです。スタイリッシュな外観と使いやすさは頭ひとつ抜けていました。急に進化したなという印象!ただ少々価格が高めなのが残念なところ。
コスパと仕上がりのバランスがよかったのはマックスイズミの毛玉取り器です。少々メンテナンスが面倒ではありますが、モードが多彩で毛足の長い冬物から薄手の夏物まで1年中使えてお得感があります。
化学繊維の毛玉を取ることが多い方には上記2つの毛玉取り器がおすすめ。
電動の毛玉取り器はどうしても繊維をとりすぎてしまうので、ウールやカシミヤなどの高級天然素材のコートなど、長く大切に着用する予定の衣類にはブラシ式がもっとも向いています。
本日は以上です。毛玉取り器を選ぶ参考にしてもらえると幸いです。
コメント