こんにちは、おうちクリーニング研究家のハナです。
本日の洗い物は預かり物です。
クリーニングに出すか、捨てるかで迷っているというので、預かってきました。
預かってきたのは冬物のスーツです。
本日はこのスーツを洗っていきたいと思います。
冬物スーツは1シーズンに数回しか洗わないと思うので、自宅で洗っても節約効果は薄いです。無理せずプロに任すのが正解だとは思います。
だけど、家で水洗いすると、汚れも匂いもスッキリ取れて気持ちがいいんですよ。
「もう捨ててもいいんだけど・・」というスーツがあれば、試しに一緒に洗ってみませんか?
興味のある方は最後までお付き合い頂けると幸いです。
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季節によるスーツの違い
スーツでお仕事されていると、夏用と冬用のスーツを使い分けている方が多いのではないでしょうか?いったい何が違うんでしょうね。
オールシーズンスーツ
スーツは夏用、冬用、オールシーズンといったように季節ごとに種類が分かれています。
オールシーズンがあるんだったら、それだけにすれば枚数が少なくて効率的に思えますがオールシーズンは夏に暑く、冬に寒いというデメリットがあります。
空調の整った室内でのみ着用するというのであれば、オールシーズンスーツだけで問題ないとは思いますが、そうでない場合は仕事着としては不適切です。
季節関係なく着用する礼服などに向くスーツと言えます。
生地の違い
夏用と冬用スーツの一番の違いは?と聞かれると、生地の素材?と思われる方も多いとは思いますが、実は夏用も冬用もウール素材であることが一般的なのです。
ウールといってもモチロン違いがあって、夏物にはサマーウールと呼ばれる、薄手のウールが使われており、粗く織られているので、空気を通して涼しくて軽いのが特徴です。
反対に、冬物は細かい目で織られた厚手のウールです。少々重いですが体温を外に逃がさないためにとても暖かく着ることができるというのが特徴です。
裏地の違い
裏地にも大きな違いがあります。
夏物のスーツは「背抜き」といって、背中に裏地のないタイプが主流です。
夏物以外のスーツには裏側に全て裏地が付いている「総裏」と呼ばれるタイプが主流です。
スーツの洗濯において、一番重要だと思われるアイロンがけの作業は、圧倒的に「総裏」の方が難しいです。
ですので、今回は干す際に極力シワを作らない、というのが重要なポイントになってきます。
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スーツを洗う
自宅でスーツを洗う方は、かなり少数派だと思います。
スーツの中でも、特に冬物スーツは水洗い不可になっていることがほとんどです。
絵表示で水洗い不可となっていても、「洗う」という行為に関しては、世の中の素材のほとんどは自宅で洗うことが可能です。
ではなぜ水洗い不可というマークがつくのかといえば、型崩れしやすかったり、仕上げの難しさにあります。
本日は、綺麗に仕上げるための決め手とも言えるアイロンがけのテクニックなどを中心に書かせていただきます。
さて、まず最初に確かめないといけないのは洗濯絵表示なのですが、ほとんど自宅で洗うことがない冬物スーツなので、この絵表示が付いていないことがけっこうあります。
今回のスーツもそうでした。
ヒントはただ1つ、ウールマークのみです。
恐らく素材はウール100%だと思われますが、詳細は不明です。
裏地も触った感じではポリエステルですが、確信はありません。
万が一、裏地にキュプラやシルクなどが入っていたら厄介です。
そんな時にも安心して使えるのは私の愛用するドライマーク専用洗剤のハイベック。
洗える素材の範囲が広く、綺麗に仕上げてくれる私の強い味方です。
間違いなく、表地がウール100%で裏地がポリエステルであるという記載があれば、エマール、アクロンなどのおしゃれ着用洗剤で大丈夫だと思いますよ。
ハイベックのデメリットは少々高価なこと!!
最後まで使い切る自信があれば、コスパは悪くないどころか最高なんですが、手洗い専用の洗剤なので、面倒になり放置してしまう人も少なくないでしょう。
自宅で色々洗ってみたいという人は思い切って買ってみるのもいいかと思います。
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洗濯開始
今回洗うのは、何年も洗っていないというグレーのスーツです。
一見、綺麗に見えますが、袖口などはかなり汚れています。
初めて自分で洗う物は、必ず色落ちチェックをします。
濡らした白い布で洗濯するスーツをトントンとたたき、色がついてしまったら色落ちする恐れがあるので、ご自宅では洗えません。
どうしても自宅で洗いたい場合は、必ず単独で洗いましょう。
袖口や襟元など、汚れのある箇所は少し水に濡らしてから石鹸を擦り込み、軽く揉み洗いしておきます。
シンクやバケツに水を溜めて、ハイベックを溶かしてハイベック液を作ります。水温は常温が適切です。
全体に満遍なくハイベック液がいきわたるように裏表上下を変えながら20分ほど浸け込みます。
その後、軽く洗濯機で脱水(高速回転に入って30秒ぐらい)
タイマーを掛けるなら1分です。
ちなみに、洗った後の水です、かなり汚れていましたね。
脱水が終わったら、シンクに水を溜めてすすぎます。
脱水によりハイベック液は遠心分離されているので、すすぎは軽くでOK。
すすぎが終わったら、糊付けします(ハイベックの仕上げ剤使用)。
今回の衣類は生地が少し「くたびれた感じ」だったので、洗濯糊はキツめに入れてビシっとハリを出していきます。
シンクに水を溜めて洗濯糊を溶かす際、糊の分量は決められた量より気持ち多めで。
少し嫌な臭いもしていたので、香り付けにほんの少し柔軟剤も使います。
洗濯糊と柔軟剤を混ぜる場合は、しっかり混ぜないと仕上がりにムラが生じることもあるので、念入りに混ぜることを意識してください。
洗濯糊の入った液剤に約10分ほどスーツを浸け込み、洗濯機で脱水します。
脱水は高速回転に入ってから10秒から20秒が最適です。
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型崩れしない干し方
洗濯が終わったら干していきます。
型崩れ防止の為に上着は肩幅のあるハンガーにかけます。
私はハイベックから販売されているボティーハンガーを使っていますが、お持ちでない場合は、ハンガーにバスタオルなどを巻いて肩幅を出します。
膨らませたゴミ袋などを入れておくと、ほとんどアイロンをかけなくてもいいぐらいシワが伸びます。
日に当てないように陰干ししていきますが、完全に乾かさずに1-2時間でいったんアイロンをかけていきます。
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アイロンがけ
冬物のスーツは「総裏」と呼ばれる全体に裏地がついた形状になっています。裏地は熱に弱い素材が使われていることが多く、ウールは高温でないとシワが伸びにくいので、総裏のついているウールのスーツに関しては、裏からアイロンがけをする、というセオリーを無視して、私は表からアイロンをかけます。
上着のアイロンがけ
まずは、シワのできやすい縫い目の部分を伸ばします。
洗濯バサミなどを使って片方を固定して、反対を中に浮かすように引っ張り上げながら、アイロンを滑らせます。片方を浮かせながらアイロンをかけることで、裏地の跡やポケットの跡などが出にくくなります。
左がアイロンをあてた状態、右がアイロンをあてていない状態なのですが、左は縫い目の部分が綺麗に伸びているのがわかると思います。
このように細かい部分のシワが伸びたら、衣類をハンガーに吊るして全体にアイロンをかけます。
普通にアイロン台を使ってアイロンをかけるよりも簡単に綺麗に仕上げります。
干すときに、シワができないように工夫をしているので、軽くアイロンを当てるだけで充分です♪
衣類をハンガーにかけてアイロンを持たない手で裾を引っ張りながら下から上へとアイロンを滑らせます。
スラックスのアイロンがけ
スラックスはきっちりプレスしてアイロンをかけた方が綺麗なのでアイロン台を使って、しっかりアイロンをかけていきます。
先ずはヒップ周りから、裏返したスラックスの中に厚さが出るように折りたたんだバスタオルを入れてアイロンをかけます。
こうすると、ポケットなどの厚みがある部分はバスタオルに沈み、表に響くことなくフラットに綺麗にアイロンがかけられます。
(写真は夏物を洗った時のものです)
ヒップ回りのシワが伸びたらスラックスを表に返してプレスしていきます。
スラックスがキレイに見える要は、センタープレスラインと呼ばれる線が中央にキレイに入ることです。
スラックスの裾部分を洗濯バサミなどでアイロン台に固定して、しっかりセンタープレスラインを付けていきます。
ヒップ側も固定して、アイロンをかけていきます。
アイロンを当てる時は、必ず当て布を使って下さい。
プレスしたら冷えるまでは、そのままをキープして下さいね。
冷える時にくっきりとしたセンタープレスラインがつきます。すぐに吊るしたりはしないように気を付けてください。
仕上がりました。
完全に乾くまでしっかり干します。
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まとめ
上着もシワなく、ハリも出ました。
センタープレスラインもキレイに入りましたね。
汚れていた袖口もスッキリ汚れが取れました。
もう1シーズンぐらいはキレイに着ることができそうですよ。
あまりスーツを自宅で洗おうという方はいらっしゃらないかもしれませんが自宅で洗ったスーツは良い匂いがして、やはり水洗いすると気持ちがよいものです。
もう捨ててもいいかなというスーツがあれば、試しに挑戦してみてはいかがでしょうか。
丁寧に洗って干しさえすれば、意外と仕上は難しくないんですよ(^^)
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
あなたの楽しい洗濯ライフのお役に立てると嬉しいです。
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