こんにちは、おうちクリーニング研究家のハナです。
クリーニングに出すと通常のダウンジャケットよりも高いクリーニング料を提示されることが多いシームレスダウン。
ユニクロが発売した途端に大流行したので愛用してる人も多いですよね。
じつはユニクロのシームレスダウンはセーターを洗うよりも簡単に自宅で洗えます。
適切に洗うと3年というシームレスダウンの寿命をぐんっと伸ばすことができますが、間違った洗い方をしてしまうとプロでも失敗してしまうのがシームレスダウン。
本日は正しいシームレスダウンの洗い方を紹介します。
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シームレスダウンの特徴と大きな問題点
従来のダウンは針と糸を使用して羽毛を偏らせないようにブロック分けするのが主流です。
それに対してシームレスダウンは接着剤を使用します。
シームレスダウンは糸ではなく接着剤を使っている
テープ状の接着剤に熱を加えて圧着する「ボンディング加工」を採用することで縫い目のないシームレスな構造を実現しました。
針を通す穴、縫い目が少ないことで内部に冷気を通さず、少ないダウンでも高い保温性を維持します。
なので、ダウンが少ない分着膨れせずにスッキリしたシルエットが作れるのが最大の魅力であり特徴なのです。
また、針穴がないので防水にも優れ、多少の雨なら防いでくれるという優れもの。
2010年の冬季オリピンピックで日本選手のユニホームとして注目が集まった「水沢ダウン」と呼ばれるシームレスダウンが有名です。当時は10万円以上と高価だったことで、アウトドア愛好者の間では有名だったものの、一般にはまだまだ浸透はしていませんでした。
ユニクロが2015年に1万円のシームレスダウンを発表したことで一気に人気が広まり、爆発的に広まりました。
ところが、急激に一般に浸透したシームレスダウンのクリーニングに関する問題が大きく取りざたされることになりました。
シームレスダウンが従来のダウンと違うところは、最大の特徴である糸を使わないということろにあります。
従来のダウンは中のダウンが偏らないようにするために糸を使ってブロック分けしているのに対して、シームレスダウンは接着剤を使ってブロック分けしています。
↑これが従来の糸を使ったダウン
↑こちらがシームレスダウン。
クリーニングトラブルが相次いだ黎明期(れいめいき)
糸の変わりに使われている接着剤は「ポリウレタン樹脂」。
このポリウレタン樹脂の接着剤がトラブルの原因です。
ポリウレタン樹脂の特徴として非常に熱に弱く乾燥機が使えない上に、ドライクリーニンで使う石油系の溶剤とは相性が悪く、新しいシームレスダウンだったとしても接着面が剥がれるという問題が発生。
そういう事例が相次いだので、当時のクリーニング店は混乱をきたし「シームレスダウンはおことわり」という店が多くなりました。
現在では、ドライではなく「水洗い」でトラブルを回避できることがわかったので、断られることはほとんどなくなりましたが、それでも「クレーム対象外」「3年以内に製造されたもの」という条件が付きます。
寿命が3年といわれる理由
なぜ3年以内なのかといえばポリウレタン樹脂の寿命は3年ほどだと言われています。
ユニクロのタグにも「3年で劣化します」という記載があるんです(年代によります)。
そして、通常の衣類のタグには記載されることがない製造年が書かれているのはユニクロのシームレスダウンの特性上の理由です。
手間のかからないドライクリーニングではなく手間のかかる水洗いをしないといけないため、クリーニング料も幅が広く私が問い合わせた範囲では一着980円〜4,455円円と幅がありました。
シームレスダウンをクリーニング店に持ち込む際には確認が必要です。
水洗い&自然乾燥と通常のダウンよりも手間がかかるにも関わらず、980円という安価にもちょっと不安を感じました。クレーム対象外だけにクリーニング店は慎重に選びたいですね。
ちなみに4,455円と言われた某有名クリーニングチェーンは、水洗いではなく拭き洗いになるそうです。
確かにシームレスダウンに使用されているナイロンは中に汚れが浸透しにくいですが、できれば水洗いで中のダウンも洗えたら気持ちいいですよね。
シームレスダウンの特徴や問い合わせたクリーニング店の種類や数についは、宅配クリーニングの比較ランキングさんに寄稿した記事に詳しく(実名はあげてません)書いていますので、そちらも合わせてお読みいただけたらと思います。当ブログでは洗い方を詳しく書いていきます。
高価な「水沢ダウン」を自宅で洗う勇気はありませんが、ユニクロの比較的安価で販売されているシームレスダウンは、洗えるなら自宅で洗いたいですよね。
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じつはユニクロでは自宅での手洗いを推奨しています
ユニクロのシームレスダウンの洗濯表示はこちらです↓
手洗い 可 | |
塩素系漂白剤 不可 | |
タンブル乾燥 不可 | |
日陰で吊り干し | |
アイロン 不可 | |
ドライクリーニング 不可 |
洗濯表示マークを見る限り、自宅で洗濯することに問題はなさそうです。
じつは、ユニクロも自宅で洗うことを推奨しているんです。
(画像出展:UNIQLO )
なので思い切って洗っていきましょう。
シームレスダウンの洗濯【素材チェック】
こちらはユニクロ製のシームレスダウンの素材です。
表側:ナイロン 100%
中わた:ダウン 90%
フェザー10%
裏側:ナイロン 100%
ナイロンは非常に強い素材なので、普通の素材なら雑に扱っても大丈夫なのですが、接着剤にポリウレタン樹脂が使われているので、非常にデリケートな素材へと早変わりです。
ポリウレタン樹脂は、身近なところでは合成皮革に使われる素材です。どんなに丁寧にあつかっても、合成皮革のカバンや靴が数年で劣化してしまうというのは、実感としている人も多いですよね。
そんなポリウレタン樹脂を使用したダウンですが、丁寧に洗うことで多少は寿命を伸ばせます。
スポンサーリンクシームレスダウンの洗濯【安全に洗う方法】
・おしゃれ着用洗剤
・バスタオル
使用する洗剤は中性洗剤です。いわゆるおしゃれ着用洗剤と呼ばれる中性洗剤が最適です。
私は今回アクロンを使用しましたが、おしゃれ着用なら何を使っても大丈夫です。
私がジャケットなどを洗う時に使うドライ用洗剤のハイベックの溶剤は植物系が半分、石油系が半分です。ポリウレタンは石油系と相性が良くありませんので今回は使いません。
残念ながら洗濯機はNG
ダウンジャケットは洗濯機を使っても洗えますが、脱水時の遠心力によってポリウレタン樹脂を使った接着面が剥がやすくなってしまいます。
新しいシームレスダウンならばすぐに接着剤が剥がれることは少ないですが、3年以上たった接着剤はデリケートになっています。なので、遠心力や摩擦が少ない手洗いをします。
ちなみに私はユニクロのシームレスダウンを4年間愛用して何度も洗っていますが、今のところでまだまだ着用可能です。
汚れがひどい場合は下洗い
汚れがひどい場合は、事前に中性洗剤の原液をつけて、洗濯ブラシやスポンジなどでこすり洗いしておきます。表面のナイロンは強いので多少強くこすっても大丈夫です。
おしゃれ着用の中性洗剤は、素材には優しいですが、汚れ落ちがイマイチなので事前準備が必要です。
優しくつけ置き洗い
【洗い方】
①、液温40度以下のぬるま湯におしゃれ着用洗剤をよく溶かします。
②、①にダウンを漬け込み、軽く押し洗いした後は10分つけ置き。
③、上下をひっくり返してさらに10分つけ置き。
ダウンはどうして浮いてきて、洗剤が全体に行き渡らずにムラができるので、上下をひっくり返して10分づつつけ置きします。
【すすぎ方】
排水溝から水を抜き、ダウンを軽く押して水分を押し出します。この時に絞ってしまわないように気をつけてください。水に濡れたダウンは繊維が切れやすくなりますので、優しく扱います。
その後、水を入れ替えて泡がなくなるまで、2-3回繰り返します。
【脱水】
ここで、いつもだったら洗濯機を使って1分くらい脱水するところなんですが、遠心力で接着面が剥離してしまうこともありますので、今回はデリケートなポリウレタン樹脂に負担をかけないようにタオルドライします。
水に濡れたダウンジャケットを上から押して、できるだけ水を切ったら
バスタオルにくるくると巻き込んでタオルドライします。
【干し方】
ある程度水が切れたら、肩幅のあるハンガーにかけて陰干ししていきます。
肩幅のあるハンガーがない場合はハンガーの肩の部分にタオルを巻いて出来るだけ厚みを出すようにしてください。
水を含んだダウンジャケットは重くなってしまうので、肩幅の薄いハンガーを使うと、肩の部分に負担がかかって型崩れの原因になります。
完全に乾くまで、あまり触らないようにするのがダウンを洗うコツです。
濡れたダウンは繊維が切れやすいく、切れてしまったら乾いても膨らままず、ボリューム感が失われます。
完全に乾いてから、ジャケットを上下に振るようにするとダウンが空気を吸って膨らみ、ボリューム感が戻ります。
シワが気になる時の対処法
私はアイロン禁止の素材にも低温でアイロンをかけてしまうことがありますが、ポリウレタン樹脂は熱に非常に弱く、そのポリウレタンがシームレスダウンの要となっているのでシームレスダウンの場合はアイロンは低温でもご法度です。
同じ理由で乾燥機もダメです。
シワが気になる場合は、洋服用のシワ取りスプレーをかけて風通しの良いところに吊るしておくとシワが伸びます。
▼どのシワ取りスプレーをつかったらいいの?という方はこちらの記事をご参照ください
洋服用のシワ取りスプレーがない場合は髪の毛用の寝癖直しでも代用できます。
今回も無事にふんわりと洗えました。
何度か洗っていると、防水効果が薄れてくるので、次のシーズンになってダウンを出す時に防水スプレーをかけるといいですよ。
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
どなたかの楽しい洗濯ライフのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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コメント
ビー玉さん、博学!いつも感心し「ほ?!」と思わず言いながら読んでます。
旦那のシームレスダウン、全く気にせずエマールで洗ってましたが、正解だったのですね?!
ところでビー玉さんから教えていただいたハイベックでは洗えないのでしょうか?
私、あれからなんでもかんでも(普段の洗濯以外)ハイベックで洗ってます。
ashさん、コメントありがとうです♪
博識ではないんですが・・・なんでも洗いたいという好奇心でしょうか(ノ∀`)タハー ハイベックでもいいのですが、ハイベックの原料の半分は石油でして、それがシームレスの接着材を傷める可能性があるので、大切なシームレスダウンの場合は洗浄力は劣りますが、エマールのがいいかもしれません(^▽^;) だけど、年に数回だろうし、問題ないと思います(((uдu*)ゥンゥン ハイベック・・・私もなんでもハイベックです( *? ?ω?? )b グッ
ダウンが洗濯機で洗えるだけでもすごいのに、寝ぐせ直しでしわが伸びるとは( *´艸`)
ビーさんのアイデア力にはいつもビックリですよ(^^♪
えたさん、コメントありがとうです♪
ダウンジャケットは以外と強い素材なんですよね(((uдu*)ゥンゥン
ただ、濡れた状態で触っちゃうと羽が切れたりするので、それだけはご注意を!!
洗剤とかって分散化されてるけど、意外と兼用できるものも多いのです(((uдu*)ゥンゥン
そろそろクリーニングに出そうと思ってたけど、自分で洗ってみようかな!
もしものときのクレームは、姐さんに言えばいいんだよね?(*ノωノ)
aiaiちゃん、コメントありがとうです♪
クレーム非対応ですよ(ΦωΦ)フフフ… だけど、今後のためにも失敗したことは教えてもらえると嬉しいかも?( ? )?