・墨汁を落とす洗剤の選びかた
・墨汁の落としかた
こんにちは、おうちクリーニング研究家のハナです。
もっとも落としにくいシミって何を思い浮かべますか?
私はお習字でついてしまう墨汁です。
子どもの頃は洋服を墨汁で汚して母に怒られたのを思い出します。
墨汚れは、不溶性のシミで水にも油にも溶けない性質のため、一番手ごわいシミのひとつと言われていて、クリーニング店でも受け付けてくれないところがあるというシミの王様。
だけど落とす方法はあるんです。
本日は、7種類のアイテムを試して最も墨汁汚れを落とすアイテムを見つけました。
宜しければ、最後までお付き合いください。
スポンサーリンク墨汁汚れを落とせる溶剤を探せ!アイテム7種
墨を落とせる溶剤を探せ!
まず、墨汚れを付けた素材を用意します。
汚れを付けたのは綿100%の生地。
使う洗剤は、一般家庭でもっともシミ抜きに使われるであろう塩素系漂白剤、酸素系漂白剤、ウタマロ石鹸、重曹、マジックリン、にで実験してみました♪
試して欲しいと要望があった「米粒(デンプン糊)」「歯磨き粉」の2種類を追記します。
試すのは合計7種類のアイテム!
塩素系漂白剤
主成分:「次亜塩素酸塩」
ツンとした独特の匂いが特徴で、使用する時は換気が必要です。
洗浄力は協力ですが衣類の色素も漂白してしまうので、原則としては白物以外には使えません。
実験方法:水温15℃の水に規定量の漂白剤を薄めて使います。漬け込みは1時間
酸素系漂白剤
主成分:過炭酸ナトリウム
40℃以上のお湯に溶けるとたくさんの酸素が発生し、その酸素の泡で汚れを落とすのです。
塩素系ほどの漂白力はなく、色柄物にも使え、使用後は水・水酸化ナトリウム・酸素に分解されるので環境にも優しいのが特徴です。
オキシクリーンやワイドハイターなど、粉末の漂白剤です。
実験方法:50℃のお湯に規定量の漂白剤を溶かし、1時間つけ置きします
ウタマロ石けん
ウタマロ石鹸は不純物が少なく純度の高い石鹸を作ることが出来る中和法という製法でつくられた純度の高い洗濯石けん。
原料は脂肪酸と呼ばれる油の一種。なので汚れや汗染みなどに油汚れと相性が良いです。
蛍光剤入りなので、白物衣類以外には不向き
実験方法:石けんを擦り付けて、2分間のこすり洗い
重曹
重曹は「重炭酸曹達(ソーダ)」の略。
主原料:炭酸水素ナトリウム
料理や掃除、洗濯にまで使える重曹は万能感がありますが、洗濯用ではないので粒子が荒く洗濯に使う場合は水に溶けにくいというデメリットもあります。
反対に粒子が荒いために自然派の研磨剤として使えます。
洗浄力は強くないので、シミの王様墨汁を落とすために、今回は液体漂白剤とまぜてペースト状にして使います。
実験方法:重曹と液体漂白剤を1:1で混ぜ、歯ブラシで2分間のこすり洗い
油汚れ用 マジックリン
成分:界面活性剤(1%アルキルアミンオキシド)、泡調整剤、アルカリ剤
界面活性剤が汚れを落とす洗剤になりますので、いわゆる合成洗剤です。界面活性剤が汚れを分解して落とします。
実験方法:墨汁汚れにマジックリンをスプレーして歯ブラシで2分間のこすり洗い
歯磨き粉
ネット状に歯磨き粉を使うと墨汁汚れがよく落ちるということなんですが、こちらも重曹と同じく研磨剤ですので、表面の汚れを落とすことは得意ですが、繊維の中に入ってしまった汚れには不向きかなと思います。
実験方法:歯磨き粉を汚れにつけて歯ブラシで2分間のこすり洗い
米粒(デンプン糊)
米粒(デンプン糊)は洗浄力ではなく、くっつく力を利用します。
米粒(デンプン糊)が繊維の奥に入り込んだ墨汁を吸着して、洗うとデンプン成分と一緒に汚れが落ちる仕組み。
実験方法:米粒はすり潰して汚れにすり込みも2分間のこすり洗い。デンプンのりはそのまま汚れにつけて使います。
スポンサーリンク墨汁は落とせたのか?結果発表
上段左から塩素系漂白剤・酸素系漂白剤
下段左から重曹・ウタマロ石鹸・マジックリン
こちらは追記の歯磨き粉と米粒(デンプン糊)です。
全て、満足の得られる結果は出ませんでした。
ウタマロ石鹸とマジックリンが若干落とせたかな?といった感じではありますが、完敗ですね。
さすがシミの王様です。
このままでは悔しいのでウタマロ石鹸とマジックリンの複合技で染み抜きしてみました。
ウタマロ石鹸をこすりつけ水のついた歯ブラシで擦る。
水で洗い流す。
マジックリンを染み込ませ水のついた歯ブラシで擦る。
水で洗い流す。
これを1セットとし5セット繰り返した結果がこちら
手も生地もボロボロですが、70%くらいの墨汁を落とすことができました。
色柄ものも生地だったら目立たないぐらいではないでしょうか?
以上・・・という訳にはいきませんよね。
では、もう一度同じように実験してみます。
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もう一つの実験結果!生地によっては落ちる
どうでしょう、ウタマロ石けんに関しては、ほとんど目立たないくらいまで落とすことができました。
面白いくらいスルスルと墨汁が溶け出していきまいした。
マジックリンもずいぶん薄くなっています。
色柄ものならほとんどわからないくらい落ちました♪
生地の痛みもほどんどありません。
じつはこれ、墨汁をつけてから1日置いて洗ったものなんです。だけどすぐに洗った最初の実験よりも汚れ落ちは良くなっています。
ポリエステルは汚れが落ちやすい
全く同じ方法で実験したにもかかわらず、結果が違うのは布の素材が違うんです。
1回目に実験したのは綿100%の布
2回目に実験したのはポリエステル65%、綿35%の布
綿100%だと落ちにくい汚れも、ポリエステルなどの人工繊維が多く入ると落ちやすくなります。
墨の汚れ落ちが良かった方にはポリエステルが多く入っているのです。
ポリエステルは吸水性が低いという特徴がありますが、そのため繊維の奥まで汚れがしみ込みにくいのです。
熱や摩擦にも強く濡れても強度がおちないので、多少こすり洗いしても生地が傷みにくいというのもよいです。
なのでポリエステル入りの衣類ならば、墨汁がついてすぐに洗えばシミを落とせる可能性が高く、1日経過しても落とすことができるという実験結果になりました。
お子様の習字用スモッグやエプロンなどはポリエステル入りの素材がオススメ。
デンプンは汚れは落ちるけれど色移りが心配
だたし、ポリエステルは再汚染が起こりやすいデメリットがあります。
米粒(デンプン糊)で洗ったものは一見すると汚れが薄くなっているようにみえますが・・
じつは、ものすごく色移りしちゃってました(泣)
墨汁汚れの落としかたと検索するとヒットする米粒(デンプン糊)ですが、墨汁が再汚染がしやすく汚れを広範囲に広げてしまう場合もあります、使うには注意が必要です。
小さめの歯ブラシでピンポイントに攻めないと難しいかも。
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まとめ
墨汁を使う予定のある時はポリエステルが入った衣服を着る!!
そして、汚れたらすぐに洗う。
万が一、綿や麻などの汚れが撮れにくい衣類に墨汁が付いてしまった場合は、マジックリンとウタマロ石鹸の複合技で染み抜きすると目立たなくなる可能性があります。
ウタマロ石けんはドラッグストアだけでなくスーパーマーケットでも100円前後で販売されているので、墨汁をつけてしまったらウタマロ石けんを買いに走ることをおすすめします。
結論、墨汁はポリエステル × ウタマロ石けんが最強!
本日の洗濯実験は以上です。お読みいただき、ありがとうございます。
あなたの楽しい洗濯ライフのお手伝いができたら幸いです。
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