こんにちは!おうちクリーニング研究家のハナです。
ドラッグストアの洗剤コーナーには無数の洗剤が並んでいてどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね?
だけど、じつは実際に使ってみなくてもパッケージ裏の成分表をみるだけで洗剤の特徴や洗浄力はだいたいわかります。
毎年毎年新しい洗剤が、さも「今までなかった新しい技術ですよぉ」という顔をして発売されてますが、じつは洗濯洗剤に使われる成分も洗浄力もさほど変らないのが現実。
なので、毎年覚えなおす必要もなくても、洗剤の特徴を知ることは一生使える家事スキルになります。
よろしければ、最後までお付き合いください。
スポンサーリンクアルカリ洗剤と中性洗剤の違い
粉末洗剤、液体洗剤、ジェルボール(中性)、おしゃれ着用洗剤、液体洗剤
さまざまな種類の洗剤がありますが、洗剤の種類って大きくわけて2つです。
洗剤の液性が弱アルカリ性か中性か!それ以外は例外※
液性はパッケーにの裏で確認できます。
※2021年にアリエールシリーズから除菌ができる「アリエール除菌プラス」という酸性の洗剤が発売されましたが、大手洗剤メーカーから発売されている酸性の洗剤って、今のところはその一種類だけなんです。
事実上、洗濯洗剤は弱アルカリ性と中性洗剤のどちらか。
そして、洗濯洗剤の場合は弱アルカリ性の洗剤の方が汚れがよく落ちるといわれています。
風合いの中性と洗浄力の弱アルカリ性
・粉末洗剤(弱アルカリ性)
・液体洗剤(弱アルカリ性)
・液体洗剤(中性)
・ジェルボール(中性)
・おしゃれ着用洗剤(中性)
・液体洗剤(酸性)
洗濯洗剤のタイプを上から順に洗浄力が高い順に並べてみました。
洗剤を水に溶いたときの液性がアルカリ性に傾く洗剤のほうが洗浄力は高くなるんです(例外もあります)。
一般的に中性洗剤よりも弱アルカリ性のほうが汚れ落ちが良くなるのは、「汚れ」は逆の性質のもので洗うことで中和して落とすことができるからです。
衣類につく主な汚れは皮脂などの酸性なので、反対の性質ある「弱アルカリ性」のほうが洗浄力は高くなる仕組みです。
酸性の汚れ(ベタベタしているのが特徴) |
汗 皮脂 手垢 油汚れ 食べこぼし 湯垢(ヌメヌメしてるもの) など |
アルカリ性の汚れ(結晶化しやすい) |
尿石 水アカ カビ たばこ臭 電気ポットの白い汚れ(カルシウム) など |
「じゃぁ弱アルカリ性の洗剤を選べばいいのか?」と言えばそれだけではなくて、弱アルカリ性の洗剤はその強い洗浄力ゆえに衣類への負担が大きいいのがデメリット。
部活や食べこぼしなど、汚し盛りのお子様がいるご家庭には弱アルカリ性の粉末洗剤。
リモートワークで衣類はほとんど汚れないという場合は中性の液体洗剤がベスト。
などなど、ライフスタイルによって使い分けるのが大切なのです。
スポンサーリンク洗剤の種類とタイプ別の特徴
では、タイプ別に洗剤の特徴、メリット、デメリットを見ていきましょう。
洗浄力とコスパの良さが特徴の「粉末洗剤」
メリット | デメリット |
・洗浄力が強い
・白いものをより白く洗いあげる ・コスパがいい ・除菌ができる |
・粉残りの心配がある
・蛍光剤入りのものは色柄ものに使えない ・ウールやシルクは洗えない |
粉末洗剤はもれなく弱アルカリ性で、アルカリは長く水分に触れることが苦手です。
なので液体ではない粉末洗剤がアルカリのパワーをもっとも発揮させることがでるタイプになります。
カレーや果汁などの落としにくい汚れをシミ抜きなしで洗濯機で洗っただけで落とせるのは粉末洗剤だけ。
洗濯洗剤で除菌ができるのも粉末洗剤の大きな特徴です。
ちなみに液体洗剤で除菌ができるのは酸性洗剤の「除菌ができるアリエール」だけです。
【2020-2021年】汚れニオイ落ち洗濯洗剤ランキング!27種類すべて試しました
玉石混淆で選ぶのが難しい「液体洗剤(弱アルカリ性)」
玉石混淆(ぎょくせきこんこう)とは優れたものと劣ったものが混ざり合ってることです。
メリット | デメリット |
・水に溶けやすい
・使い勝手がよい ・粉残りの心配がいらない ・コスパが良い |
・洗浄力が高いとは限らない
・容器が大きい ・ウールやシルクなどのデリケート素材は洗えない |
液体と言えば中性洗剤が当たり前でしたが、2018年あたりから徐々に液体洗剤にも弱アルカリ性が増えてきて、2021年の今では液体洗剤の主流は弱アルカリ性になりつつあります。
とくにP&Gは液体洗剤でも弱アルカリ性が主流
中性の液体洗剤に比べて全体に洗浄力が高いものが多く、洗浄力は欲しいけど粉末洗剤は使いにくいという方に便利な洗剤。
粉残りの心配がないので、少ない水で洗うドラム式の洗濯機にも向いています。
コスパもよく、日常使いするのに向いている洗剤です。
水とアルカリの相性があまりよくなくいので、残念ながら洗浄力が中性洗剤に劣る製品も存在します。
製品によって実力差が激しく、選ぶのが難しいタイプの洗剤でもあります。
衣類を優しく洗いオールマイティな「液体洗剤(中性)」
メリット | デメリット |
・水に溶けやすい
・コンパクトである ・衣類の素材を選ばず使える |
・洗浄力が弱い
・コスパが悪い |
中性洗剤には蛍光剤が入っていないために色柄ものも色褪せさせずに安全に洗うことができます。
コンパクトタイプで容器が小さめなのが特徴。
狭いランドリーコーナーでも洗剤の容器が場所を圧迫することがありません。
洋服によって洗剤を使い分けたりせずに、洗剤を1つに絞りたいなら中性の液体洗剤の一択です。
アタックZEROなど、弱アルカリ性の液体洗剤以上に洗浄力の高いものも発売されていますし、もっとも使いやすい洗剤のタイプです。
▼液体洗剤(中性)のランキングについてはこちらの記事をご参照ください▼
つまんでポンのジェルボール
メリット | デメリット |
・洗剤に触れることなく洗濯機に投入できる
・洗剤がかわいくてテンションがあがる ・香りがつづく |
・洗浄力が弱い
・コスパが悪い ・全ての製品に蛍光剤が入っている ・少量の洗濯に向いていない ・香りが強すぎる |
粉末でも液体でもない第3の洗剤として2014年に発売されて以来、計量の必要がなく、指でつまんでポンと洗濯機に入れるだけという手軽さが人気の洗剤です。
ぷにぷにとした洗剤はカラフルでキレイなので洗濯するときのテンションを上げてくれます。
本来中性洗剤には蛍光剤(蛍光増白剤)は入っていないのですが、
ジェルボールは多重構造にすることで今まで中性洗剤には使えなかった蛍光剤(蛍光剤に関しては後で解説します)を配合するこができるようになりました。
良くも悪くもすべてのジェルボールには蛍光剤が入っています。
蛍光剤は白物をより白く洗うことには長けていますが、色柄ものなどは色褪せてみえることがあるので不向きです。
とはいえ、ジェルボールは白を白く洗えるほど洗浄力は強くもない(汗)
個人的にはあまりおすすめではないタイプの洗剤ですが、見た目のかわいいジェルボールを使うことでテンションが上がるならあり。
あと、洗剤の量の調整ができないので、少量の洗濯物にも向きません。
▼ジェルボールのランキングについてはこちらの記事をご参照ください▼
デリケート衣類が自宅で洗える「おしゃれ着用洗剤(中性)」
メリット | デメリット |
・デリケート素材が自宅で洗える
・柔軟剤が必要ない |
・洗浄力が弱い
・コスパが悪い |
デリケート素材を洗えるおしゃれ着用洗剤は衣類の風合いを守るため、洗浄力よりも風合いを保つために作られた中性洗剤。
ウールやシルクなどの動物性の繊維の主な成分はタンパク質。
タンパク質はアルカリによって分解される性質をもっているので、動物性素材のウールやシルクをアルカリ系の洗剤で洗うと縮みなどトラブルがおこってしまいます。
なので、おしゃれ着用の洗剤はもれなく“中性” 。
一般的な中性液体洗剤でもウールやシルクを洗えますが、おしゃれ着用洗剤にはシリコンや柔軟化剤など繊維の滑りをよくする成分が含まれており、より縮みや型崩れを防ぎながら洗うことができます。
2018年から搭載されている形キレイ効果によりニットなどのヨレを修復できるようになりました
衣類を優しく洗う反面、洗浄力は高くありません。
一般の液体洗剤の洗濯一回にかかるコストの平均が12円なのに対して、おしゃれ着用洗剤の平均は23円でした。
日常使いをするにはコスパが少々悪すぎます。
▼おしゃれ着用洗剤のランキングについてはこちらの記事をご参照ください▼
パッケージの裏を見ると洗剤がわかる!洗濯洗剤の基礎知識
洗濯洗剤の裏面を見ると、中性かアルカリ性かという以外にいろんなことがわかります。
成分表には難しいカタカナや漢字が並んでいますが、その成分の意味がわかると洗剤の裏面を確認するだけで洗剤の性質がわかるようになるんです。
洗剤の主原料「界面活性剤」 一覧
界面活性剤は水と油のように通常だと反発して交わることのないものを交わらせる性質のある成分です。
洗濯用だけでなく、食器洗い用や掃除用、ほぼ全ての洗剤と名の付く物の主原料です。
界面活性剤=危険な成分だと思ってる方もしらっしゃいますが、ナチュラル好きの方に人気のある石けんも界面活性剤の一つなんですよ。
ただ、界面活性剤の種類はたくさんあって、種類によって特徴が大きく違います。
洗濯洗剤に使われる主な海面活性剤一覧
名称 | 特徴 |
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS) |
・洗浄力、消臭力が高い ・洗った後の衣類がゴワつく ・肌刺激が強い |
(ポリオキシエチレン)アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES) | シャンプーなどに使われている「ラウリル硫酸塩」と同じ成分。
・洗浄力が高い ・肌への刺激は強め |
純せっけん分 ※せっけん洗剤についてはこちら |
・いわゆる石けん
・皮脂汚れに強い ・石けんカスが残りやすい ・肌刺激は弱め |
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE) | ・動物性の繊維にも使える
・風合いよく仕上がる ・肌刺激は弱め |
アルファオレフィンスルホン酸塩(α-OS) | ・シャンプーなどにも使われている成分
・肌刺激は少ない |
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(AE) | ・動物性繊維にも使える
・風合よく仕上がる ・静電気がおこりにくい ・肌刺激は少ない |
とくに直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)とポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)は多くの洗剤の主原料として使われていて、一つの洗剤にどちらも配合されていることも多いです。
成分表は配合されている量が多い順に記載されるので、
洗浄力の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
風合いのポリオキシエチレンアルキルエーテル
どちらが先に書かれているかで、風合い重視なのか、洗浄力重視なのかがだいたいわかります。
洗剤の洗浄力を補助する「漂白剤」
漂白剤は洗剤の洗浄力を補助する目的で配合されています。
洗剤 | 漂白剤 |
|
洗剤に漂白剤を組み合わせることで洗浄力が上がりますが、衣類へのダメージは強くなってしまいます。
漂白剤はアルカリ度が高いので、アルカリに弱いウールなどのデリケート衣類には使えません。
白い衣類専用の「蛍光剤(蛍光増白剤)」
蛍光剤の正式名称は蛍光増白剤といいます。
特に蛍光剤は何となく避けている人が多いのではないでしょうか?
じつは漂白剤よりもずっと注意が必要な成分が蛍光剤(蛍光増白剤)なんです。
漂白剤 | 蛍光剤 | |
色柄もの | ○ | × |
デリケート衣類 | × | × |
蛍光剤は洗い流さずに衣類に残すことで力を発揮する成分なので、肌が弱い方にも向きません。
スポンサーリンク洗剤の裏面をみるだけでわかる洗濯洗剤の選び方 まとめ
洗剤の性質を理解すると、どの洗剤を使えばいいんだろう?って迷うことは少なくなります。
あなたの楽しい洗濯ライフのお役に立てると幸いです。
また次の更新日にお会いいたしましょう
コメント
中性洗剤と弱アルカリ性洗剤の違い、以前の記事で教えてもらって、今の洗濯生活にもすごく役立ってます◎
売ってる洗剤の種類が多すぎて、値段や香りだけで選びがちだったけど、目的に合わせた正しい選び方ができるようになったのはハナさん(初めて呼んだ!)のおかげ( *´艸`)
いつも役立つ情報ありがとうございます!!ヾ(*´∀`*)ノ
理路整然とし実にわかりやすいですねとても参考になります
洗い方や染み抜き、洗剤のチョイスなどGoogle検索かけると
似たような曖昧模糊とした説明しかないものばかり
今ではハナさんのサイト内検索する様になりました。すぐに解決できて助かります
当家は生成りホワイト以外の白は白さをキープしたいので蛍光増白剤入りで
白のみまとめて洗ってます
チピさん、コメントありがとうございます。
実際にやってみて、誰でもみてわかるようにをモットーにブログを書いているので、わかりやすいといってもらえると嬉しいです。
これからも曖昧模糊がないようにブログを書いていきたいと思います。ぜひご意見くださいね。
私も白物は蛍光剤入りを使ってます、白が白いと清潔感でますもんね♪