トレンチコートを自宅で綺麗に洗う方法

コート類

こんにちは、ハナです。

本日はトレンチコードを洗ってみたいと思います。

今回洗う素材は綿なので、洗う事自体は決して難しい素材ではなく、洗濯絵表示を確認しても手洗い可となっています。
ただし、誰でも簡単に綺麗に仕上げられるか?という聞かれると、「NO」と答えます。

トレンチコートは洗いあがった後のアイロン作業がとても難しいのです。
本日は、アイロンワークを中心に綺麗に洗いあげて行きたいと思います。
よかったら最後までお付き合いいただけますよう、よろしくお願い致します。

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トレンチコート豆知識

ビジネスコートの中で最も好感度が高いと言われるトレンチコートは、男女ともに着用した事があるという人は多いと思います。

トレンチコートのTrenchは軍事用語である「塹壕(ざんごう)」を意味します。
塹壕」とは、歩兵を敵からの砲弾や銃弾から身を守るために掘られた穴(溝)の事です。映画などでご覧になった事がある人も多いでしょう。

名前の由来からもわかるように、もともとは防寒防水から兵士を守るためにつくられた軍用コートなのです。

トレンチコートに施された無駄に思える装飾に疑問を持ったことがある人も多いかもしれませんが、もともとは両手を開けるためだったり、武器をつかうのに便利だったりと意味があったのです。

モチロン、現在日本では装飾の意味合いが大きいですね。

エポレット

肩のところにあるポタン付きの輪っかのようなものです。ショルダーストラップとも呼ばれます。
もともとは水筒や双眼鏡、拳銃をつるための紐(ランヤード)を肩にぶら下げるためにつけられていました。
倒れた味方を引っ張る際にも役に立ったようです。

ガンフラップ

肩から胸の部分に付けられた当て布です。
ライフルを発砲した際の衝撃を和らげるために付けられました。

 

Dリング

ベルト部分に付けられたD型の金具です。Dカンとも呼ばれます。
もともとは手榴弾をぶら下げるために付けられていました。

 

ストームシールド

肩から背中に付けらた二重構造になった当て布です。アンブレラヨークとも呼ばれます。
雨がコートに侵入するのを防ぐ役割を果たしています。

 

インバーテットプリーツ

後ろ見ごろの裾部分に付けられたプリーツです。
普段は内側に取り付けられたボタンで留めるようになっていますが、ボタンを外すと大きく開く構造になっています。
馬やバイクにまたがる際に足の動きを邪魔しないように出来ています。

 

どうでしょう、これ以外にもチンストラップやカフスストラップなどの数々の装飾がトレンチコートには施されています。
生地も厚めのものが多いので、アイロンがけには非常に苦労します。
それでも、自宅で綺麗に仕上げる事は十分に可能です。

そろそろ、実際に洗っていきましょう♪

 

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洗濯開始

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今回洗うのは、こちらのトレンチコート、OLD ENGLANDというブランドのものですが、もう10年以上着用しているので、洗うのに躊躇はありません。

洗濯絵表示は

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海外表示なのでわかり難いですが、

素材はコットン100%

水温の上限を30℃として手洗い可能
漂白剤は不可
アイロンは低温
ドライクリーニング可
タンブラー乾燥不可です。

海外絵表示、または2016年12月以降の洗濯絵表示に感じて記事はこちら↓

 

今まで何度かこのコートを手洗いしてきましたが、今回は洗濯機で洗ってみたいと思います。
個人的には手洗い可の場合は洗濯ネット使用でウール洗い用コースならば洗濯機で洗う事は可能だと考えています。

 

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洗剤は何を使う?

手洗い不可の場合はドライ洗濯用洗剤の「ハイベック」をつかいますが、今回は手洗い可となっているので、おしゃれ着用洗剤を使用します。
おしゃれ着用洗剤対決でエマールとアクロンを対決させた時に、シャツなどのハリをだすにはエマールの方が仕上がりが良かったので、今回はエマールを使用します。

 

 

前準備

襟元や袖口の黄ばみ。その他のシミなどがある場合は洗濯機に入れる前に下処理を施します。

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洗濯液(今回エマール)を5倍ぐらいに薄めて、シミのある場所に叩き込みます。

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タオルなどを折りたたんだ端に溶剤をつけてヨゴレのある部分に叩き込みます。

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次は水を付けたタオルで繊維から汚れを押し出す感じで抑えていきます。結構力を入れると良いと思います。

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その後、タオルの乾いた面で汚れを吸着します。

汚れがひどい場合は洗濯ブラシなどで洗剤原液を叩き込んでもいいですが、輪ジミになる場合があるので、襟元なら襟元全体に満遍なく液剤を叩き込むようにすると良いです。

 

洗い

必ず洗濯ネットを使用してください。厚手の綿100%の場合は余計なシワは少なければ少ないほど良いです。

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洗濯機に入れます。コースは「ドライ」だったり「弱水流」だったりウールを洗えるコースを選択します。
そんなコースはないよという場合は洗い10分。すすぎ2回。脱水1分ぐらいに設定してください。

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シワを作らない裏技

洗いあがったらそのまま干しても良いのですが、パリッとさせたい場合は糊付けします。

私の場合は、洗濯のりと同時に柔軟剤を使います!!
洗濯のりだけだと洗い上がりはキレイなんですが、乾いたあとにシワが付きやすくなります。そこで柔軟剤を同時に使う事でしなやかな仕上がりになりオススメなのです。
面倒ではありますが、いちど洗い終わった衣類に糊付けをします。

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私がいつも使う「のり剤」はハイペックZeroの仕上げ剤です。
価格は高いのですが、普通のノリ剤と仕上がり具合が全然ちがいます。このノリ剤を使うと衣類の発色が非常によくなるように感じます。
おそらく艶感が出るために色が鮮やかに感じるのだと思われます。

柔軟時はハミングNeoを使用しました(透明タイプではない、いつもお使いの柔軟剤でOKです)。
使用量はそれぞれの液剤の規定の量をお使い下さい。

 

衣類を漬け込み、しっかり液剤が繊維に浸透するように10分ほど漬け込みます。
浸け込み終わったら洗濯機で1分脱水(一分は高速回転に入ってからの時間です)します。

シワを作らない干し方

干す際は肩幅のあるハンガーを使用すると型崩れを防ぎます。

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私はハイペックと同じ会社から出ているボディハンガーを使用していますが、お持ちでない場合は通常のハンガーにタオルなどを巻き付けて肩幅を出せばOKです。

 

 

今回の衣料はかなりの厚さのある生地なので、念には念をいれてシワ対策を施します、

スラックスハンガーに重りを付けて下につりさげるんです。

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重みでシワが伸びるのです。シャツなどの薄い素材ならこれだけでアイロンが要らないぐらいシワが伸びます。(ちなみに重りには電池使用)

しっかり乾くまで、吊り陰干しです。

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アイロンを綺麗にかける裏技

いよいよメインイベントのアイロンワークです。

アイロンを上手にかけるためのコツは「小さい面積からかけていく」です!

襟 → 袖 → 前見ごろ → 後ろ見ごろ というのがセオリーです。

大きい面積はシワが出来やすいので、せっかく綺麗にアイロンをかけたのに襟にアイロンをかけているあいだに新たなシワができてしまったというような悲しい事が起こらないための順番です。

タオルケットを使うとアイロンがプロ仕様になります

流行りのビジューや装飾が多いものにアイロンをかけるのは難しいですが、衣類の下にクッション性のあるものをかませるとウソのように簡単に綺麗になります。

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今回は厚手のバスタオルを折りたたんで使いました。タオルケットなどもオススメです。

その上に装飾部分を下にして、アイロンをかけると、装飾物が沈んで平らになり綺麗にアイロンがかけられるのです。

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ボタンがある部分です。
ボタンを下(タオル側)にしてアイロンをかけます。

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ボタンの部分の影響を受けることなく綺麗にアイロンがかけられました。

ポケットなどの凹凸がある部分も同様です。
凸凹がある面を下(バスタオル側)にしてアイロンをかけます。

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手前がアイロン前。奥がアイロン後です。
難しそうな部分も素早く綺麗にできます。

 

袖をきれいに仕上げる

シャツなどはアイロン後を付けた方がパリっとしあがり綺麗なのですが、コートはアイロン後はつけない方がカッコイイです。
そんな場合は袖を浮かしつつスチームアイロンをかけていくとふんわり綺麗に仕上げることが可能です。

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袖口を洗濯バサミなどでアリロン台に固定して、袖を引っ張りあげながらスチームアイロンをかけます。
アイロンは衣類に直接つけるのではなく1cmほど離してスチームの力でシワを伸ばします。

 

衣類をつりさげてアイロンをかける

アイロン台にて軽く全体にアイロンをかけたあとは、再びハンガーにかけて吊り下げながら仕上げていきます。

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衣類を下に引っ張りながらスチームアイロンをかけていきます。

薄手のシャツなら裏からアイロンをかけただけでも綺麗にシワを伸ばせますが、厚手の布地の場合はそれが難しいので、表からもシワを伸ばしパリッと仕上げます。

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まとめ

 

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綺麗に仕上がりました♪

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ヨーク部分(ストームシールド)も綺麗です!!

写真では伝わり難いですが、パリッとハリ感が蘇りました。

 

洗濯絵表示では「低温アイロン」推奨となっていましたが、この厚さの綿素材を低温のアイロンで綺麗に仕上げるのは不可能かと思います。

私はスチーム全開の高温でアイロンをかけました。

素材によっては風合いを損ねる恐れもございます。どうぞ自己責任にて洗っていただけますよう、よろしくお願いいたします。

アイロンが苦手な人は布の表をアイロンがけしたくなると思います。仕上がりは裏からアイロンをかける方が絶対に綺麗に仕上がりますが、どうしてもという場合は、必ず当て布を1枚挟むようにして下さい。
直接表にアイロンをかけてしまうと、布がテカって仕上がりが悪くなります。

正直、水洗い不可とされるウールのコートなどよりも綺麗に仕上げる事は非常に難しいと思います。
もし、自宅で洗いたいという場合は少し覚悟して洗い出してくださいね。

アクリルなどの化繊素材が混入している素材の場合はもう少し簡単に仕上げられるかと思います。

本日は、以上です。最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
また次回お会い致しましょう。

 

コメント

  1. okudera より:

    こんにちは。初めまして。いつも記事を参考にさせていただいています。
    最近入手したトレンチコート(古着)を洗濯しようと思い記事を読んでいました。
    このコート、今までドライクリーニング+撥水加工のみで着られていたようで、水洗いが必要な匂いがしています。
    ハイベックゼロで水洗いしただけならば撥水加工も大体残るとは思うのですが、洗った後に仕上げ剤を使うと撥水剤の上にもう一層薬剤が乗るので撥水しなくなるのではないか?と思案しています。
    はたしてハイベックゼロでの水洗いで撥水加工は生き残るのか?撥水加工と仕上げ剤は喧嘩するのか?なにかご存知であればコメント頂けると嬉しいです。

    • ハナ より:

      okuderaさん、はじめまして!!返事がおそくなり申し訳ございません。コメントをいただきありがとうござます。
      撥水加工の種類にもよると思うのですが、撥水加工はどうしても洗う度に効果は薄れていきます。
      定期的に撥水加工をし直す必要があると思います。
      ご自身で撥水加工をするならば、過去に撥水効果について書いた記事があります。
      https://bloghana.xyz/2017/05/28/how-to-wash-an-umbrella/
      洗濯は洗い流し、ノリは付属するものなので、個人的には洗濯の方が撥水効果を薄れさすと思います。

  2. okudera より:

    こんにちは。お返事ありがとうございます。
    その後色々探していましたら、ナチュラルクリーン(株)社長さんのブログに「100年コートの洗い方」という記事を見つけました。プロの判断だと撥水加工の上からは何も処理をしないのがよいということでしたので、ハイベックゼロに浸すだけで洗ってみました。つけ込み中は揺すぶる程度です。
    やはり擦れた部分は撥水処理が弱っていたようで容易に水が染み込みましたが、他はなかなか染み込まず難儀しました。
    乾燥後にアイロンを掛けてから袖に水を掛けたところ、洗う前とあまり変わらない撥水をしていたので、元の撥水処理は残ったようです。
    ひょっとして洗濯液が薄かったのかも?

    • ハナ より:

      okuderaさん、コメントいただき、ありがとうございます。返事が遅くなり本当に申し訳ございません!

      撥水加工に関しては、今まであまり調べたことがなかったので、これから改めて実験してみて検証したいと思いました(´ω`*)
      気付きをありがとうございます。また実験結果が整いましたら、記事にしますね(*´?`*)ありあとうございます。

      • バルタン より:

        いつも楽しく読ませて頂いています。探究心と実験は頭が下がります。
        ダウンやトレンチコートなのですが、
        白いものは袖口だけが汚れてしまい、全体を洗わず、なんとか袖口だけチョコっと綺麗にする裏技があれば教えて頂ければ嬉しいです。

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