【この記事を読んで解決できること】
・カシミヤセーターを自宅で洗う方法
・手首や襟ぐりのヨレを直す方法
こんばんは!おうちクリーニング研究家のハナです。
カシミヤ100%と聞くと、高級なイメージだったのですが、最近ではユニクロなどの比較的安価なカシミヤが発売され、手に入りやすくなりました。
ただ、安価で買えてしまう分、自宅で洗いたいと思う人も多いのではないかと思います。
本日はそんなユニクロのカシミヤ100%のセーターを洗います。
ヨレてしまった袖口などの修復方法などと合わせて書いていきますので、気に入ってヘビロテしていたセーターが型崩れしてしまったという人にオススメです。
お時間よろしければ最後までお付き合いください。
スポンサーリンクカシミヤの特徴
インド北部のカシミール地方に生息した山羊のうぶ毛を使用して紡ぎ出される素材は繊維の宝石などと呼ばれ、最高級の天然素材として長く愛され続きてきました。
シルクロードを経てヨーロッパにわたり山羊の原産地からカシミヤと呼ばれるようになったのです。
特徴
カシミヤの特徴としては「軽い」「温かい」「肌ざわりが良い」「光沢」などあり、とくに肌ざわりは素晴らしくウールのようにチクチクしません。
肌が弱い人でも安心して着用することができるのが特徴です。
この肌ざわりの秘密は極細の毛にあります。しかも産毛を使用しているため、柔らかく刺激が少ないいのです。
ヒツジは約20マイクロン前後に対して、カシミヤは約14〜16マイクロンという細さです。この極細の毛は温かさの秘密でもあります。
カシミヤの毛はクリンプと呼ばれる縮れ毛で、細く縮れた毛は複雑に絡み合い、断熱効果の高い空気をたくさん蓄えることができます。
そのため、外気から遮断し、体温を逃さないのです。
デメリット
・毛玉ができやすい
・虫に食われやすい
カシミヤに限らず、羊などの獣毛には人間のキューティクルに似たスケールと呼ばれる形状になっており、そのスケールが絡み合い毛玉ができやすくなります。
カシミヤには定期的な毛玉ケアが必要です。
天然素材のため虫が付きやすいので、衣替えの際は防虫処理も大切です!!
虫に食われて穴ができてしまったニットの修復方法はこちら↓
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ユニクロのカシミヤの品質は?
カシミヤには品質ランクがあります。
ランク | 繊度 | 縦維長 |
1等級 | 約14ミクロン | 34mm〜38m |
2等級 | 14〜15ミクロン | 30mm〜34mm |
3等級 | 約16ミクロン | 28mm〜32mm |
4等級 | 16ミクロン以下 | 30mm以下 |
こんな感じで9等級ほどあります。
ユニクロのカシミヤの場合は、公式HPによると繊度15.5〜16.5ミクロンで、縦維長32〜34mmとのことなので、なんと3等級ぐらい。なかなか良い品物ですよ。
※年代によって違うので参考までに。
洗濯準備
洗う前にセーターの基本情報をチェックします。
カシミヤセーターの基本データ
素材:カシミヤ100%
洗濯絵表示:
・水洗い不可
・漂白不可
・アイロン不可
・石油系ドライクリーニングのみ可
洗剤の選択
カシミヤは繊維としては強いので、エマールなどのおしゃれ着用で洗えますが、本日洗うセーターは私のお気に入りですので、ここは大切にドライクリーニング用のハイベックをチョイスしたいと思います。
私はハイベックという洗剤に出会って、自宅洗濯に目覚めました。
少し高価ではありますが、コートなども洗えてますので、クリーニング代の節約にもなります。
シャンプーとリンス(コンディショナー)もオススメ!
ハイベックを買うほど洗濯に凝りたくないという人は、人間用のシャンプーがオススメ!
シャンプーを使う場合は、シリコーン入りのものがベストです。シリコーンは繊維の表面をコーティングして指通りをよくする役目がまり静電気を防止したり型崩れを防ぐ役目があります。
シリコーンには「アモジメチコン」「ジメチルシリコーン」、「揮発性シリコーン」、「アミノ変性シリコーン」、「ポリエーテル変性シリコーン」などの種類があります。
聞きなれないシリコンを成分表から見分けるコツは「〇〇メチコン」「〇〇シロキサン」「〇〇キサン」などという名前がついてる成分を見つけるといいと思います。
スポンサーリンク柔軟剤の代わりにコンディショナーを!!
ウールやカシミヤなど獣毛は人毛と非常に性質が似ています。
そのため、人間用のシャンプーやコンディショナーが生地を傷めず型崩れ防止にもなりオススメです。柔軟剤ほど香は残りませんが、柔軟剤よりもふんわりと柔らかく仕上がります。
下準備
洗う前に少しだけ手間をかけるとより美しく洗えますし、失敗した時に困りません。
型取り
ドライクリーニング用のハイベックを使う場合は、縮みなどの心配はしなくて良いかと思いますが、そうでない場合は、元のセータの型をとっておきます。
万が一、縮んでしまったときに、アイロンなどで元の大きなに戻す時に使います。
セーターなどが縮んでしまった時の対処方はこちらです→「縮んだウールを復活させる方法」
毛玉取り
カシミヤは非常に毛玉が出来やすい素材となります。
毛玉がついていると、せっかくのカシミヤも台無しです。毛玉がついていて良いことなどなにもないので、マメに取り去りましょう。
Befor
After
世の中には数々の毛玉取り器がありますが、私のオススメは
イズミの毛玉取り器は長年愛用していて、とにかく使いやすいです。
毛玉取り器にしたら価格は少しだけ高め(4,000円ぐらい)ですが、充電してコードレスとしも使えるし、コンセントにさしても使える2WEY仕様です。
充電時間を待つ必要もないし、電池式のようにすぐに電池が切れてしまう事もなくて使いやすいです。
生地によって毛足長さが三段階に調整が可能なので、毛足が長めの生地にも使えるのが嬉しい。
ヨレた袖や裾を修復する
ウールやカシミヤに限らず、ニット素材は袖や裾がヨレヨレに伸びてしまう事があります。そういう時は糸で縮めて洗濯する事で修復可能です。
糸を通して、縮んで欲しいサイズよりも少し小さめに絞ります。
このまま洗濯してアイロンのスチームをかける事で、意図的に縮めることができます。
下準備はこれで終了です。では、洗っていきましょう。
スポンサーリンクカシミヤを安全に洗う方法
基本的に、デリケートなカシミヤは手洗いしましょう。(型崩れや毛玉がデキるのを防ぐ為です。)
洗剤はハイベックを使ってきますが、おしゃれ用洗剤でも、シャンプーを使っても洗い方はほぼ同じです。
汚れが気になる場合は、オシャレ着用洗剤よりもシャンプーの方が汚れ落ちがいいのでオススメです。
●衣類は摩擦を防ぐ為に裏返しにして洗います。
●水(人肌の温度)に洗剤を溶かし、その中に衣類を入れてつけ置きします。
※ハイベックの場合は動かす必要はありません。
(それ以外の場合は、溶剤の中で衣類を数回上下に軽く揺らし洗います。)
10分ほどつけ置きしたら(シャンプーの場合は5分)、洗濯機で1分脱水。遠心力で洗剤を飛ばすのですすぎが楽になります。
人肌温度よりも低い温度の水ですすぎます。このときは溜めた水の中で軽く揺らすようにすすぎます。
柔軟剤を使う場合は、すすぎ後にもう一度水を溜めて規定量の柔軟剤を入れてよく混ぜます。そこにすすいだ後のカシミヤを入れて5分ほど付け置き、その後に洗濯機で1分脱水します。
※コンディショナーを使う場合の使用量はニット1枚なら1〜2プッシュです。
個人的におすめのコンディショナーはキュレルのコンディショナーです。カシミヤがとろけるような質感になり肌触りに感動しました。
干す
干し方は、カシミヤに限らずニット類はすべて、平置きの陰干し。
平干し用のネットをお持ちでない場合は、100円ショップで買えるワイヤーネットとスラックスハンガーの組み合わせで代用可能です。
うっかりハンガーなどで吊り干すと、水を含んだニット自身の重みで型崩れする場合があります。
スポンサーリンク仕上
完全に乾いたら、スチームアイロンで形を整えます。
直接アイロンをかけると、せっかくのふんわり感が台無しになってしますので、衣類から1cmほど浮かせて、スチームだけをかけるイメージでアイロンがけします。
糸で調整した袖はこんな感じ。
しっかり縮みましたね。
袖口や裾がヨレヨレだと古びて見えるので、ここはしっかり手入れしておきたいところ!
仕上がりです。
セーターを洗って縮んでしまったよう場合はこちらの記事を参照ください。
縮んだセーターをどこまで修復できるか実験しています。
最後はブラッシングすると毛並みがそろって新品のような光沢がでますよ!
静電除去 洋服ブラシ ミディアムサイズ
私が愛用しているのはKENTの静電気除去ブラシです。
白馬毛を使用して作られたブラシで、カシミヤやウールなどの高級素材が出す風合いを長く美しく保つために、ハイテクノロジー素材と静電気除去繊維を混毛しています。ブラッシングするとカシミヤやウールの埃や花粉をよく落とします。
普段の手入れはこのブラシだけで十分だと思います。
ウールやカシミヤは手入れ次第で新品同様に修復可能!長く綺麗に着られる素材です。
クリーニングに出すのもいいですが、水洗いするとドライクリーニングでは落ちない汗などの水溶性の汚れも綺麗に落とせるのでたまに自分で洗うと気持ち良いですよ。
まずは、失敗してもおしくない、ファストファッション系のカシミヤや着古したカシミヤから初めてみてくださいね。
余談ですが、この記事を書くにあたって、「カシミヤ」なのか「カシミア」なのか悩みました。
どちらも間違いではないのですが、消費者庁家庭用品品質表示法の表記がカシミヤなので「カシミヤ」で統一します。
本日は、以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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